クトゥルー神話
〈史上最小のクトゥルー神話賞〉公募のお知らせ - 幻妖ブックブログ
http://blog.bk1.co.jp/genyo/archives/2007/01/post_797.php
募集中らしい。
学習研究社、2007
参考文献らしい。
旧版(『クトゥルー神話事典』)の Amazon レビューによると、村上龍もクトゥルー神話ものを書いているそうだ。へー、そうなのか。意外。
ところで、Amazon の内容紹介には↓こうある。
怪奇作家ラヴクラフトが創造した暗黒と戦慄のクトゥルー神話大系
これは不正確な言い方だと思う。時に誤解されているが、ラヴクラフトはクトゥルー神話体系を創造していない。
基本的には、ラブクラフトは色んな小説に同じ名前のガジェットをちりばめただけ。「狂えるアラブ人アブドゥル・アルハズレッドが記した禁断の書『ネクロノミコン』」「クトゥルフ」「ナイアルラトホテップ」などの「名前」は、ラブクラフトの小説に共通して出てくるが、特にその背景については明らかにされていない。これらの名前の背後には一貫した「体系」があったかもしれないし、なかったかもしれない。たぶんなかったが、いずれにせよラブクラフト自身はそれを明らかにしていない。
クトゥルー神話というのは、「ラブクラフトの小説の背景には、一貫した世界観があるにちがいない」という仮定のもとで、これらのアイテムをつぎはぎして、オーガスト・ダーレスその他の弟子の人がつくったもの。いわば『磯野家の謎』みたいなものだ。
基本的にはこういう話なので、「怪奇作家ラヴクラフトが創造したクトゥルー神話大系」という言い方はアウトだろう。
しかし、ここからが微妙な話になる。
ラブクラフトはクトゥルー神話をつくってない。ではラブクラフト自身は、クトゥルー神話もののようなシェアード・ワールドものの制作にまったく参与してなかったのかというと、そうでもない。生前から、ラブクラフト的小説を他の人が書いたり、合作でラブクラフト的小説を書いたり、という交流は行われていた。つまり、「ラブクラフト的小説」のような定型はラブクラフト自身によってつくられ、この「ラブクラフト的小説」はラブクラフト以外の人にも書けるものだったわけだ。
そしてそこにはやっぱり、「狂えるアラブ人アブドゥル・アルハズレッドが記した禁断の書『ネクロノミコン』」「クトゥルフ」「ナイアルラトホテップ」などといった「名前」が出てくる。ただし「クトゥルー神話」という名前と、一貫した体系は存在しなかった。
あるいはこういう話なのかもしれない。マクガフィンという言葉があるそうだ。
マクガフィンは、
作品の登場人物は非常に重要なものだと考えているにも関わらず、観客にはほとんど説明されなかったり、説明されたとしても価値が疑わしいような「なにか」のことである。
この説明だけだとよくわからないが、名前だけ出てきて内実が明らかでないものはマクガフィンでいいのかな。そういうことにしよう。
「狂えるアラブ人アブドゥル・アルハズレッドが記した禁断の書『ネクロノミコン』」「クトゥルー」「ナイアルラトホテップ」などといった名前は元々マクガフィンだったのに、ラブクラフトの死後、オーガスト・ダーレスらによって中身を与えられた。クトゥルー神話とは非マクガフィン化されたマクガフィンである、みたいな。
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