言語行為と発話解釈―コミュニケーションの哲学に向けて

飯野勝己(著)

勁草書房、2007


良い本だった。

「一発話主義のドグマ」や「言語行為は言語的linguisticでない」などの主張は、説得力では到底およばないとは言え、自分でも近いことまでは考えていたので、「おれも! それ、おれも考えてた!! 頭のなかからアイデアをぱくられた!」と思った(後半は嘘)。安心すると同時に先に言われてくやしい感じ。しかし後者の主張については、そこまでわかっているなら"speech act"を「言語行為」と訳すのはやめようと言いたくもある。

総じて語用論、コミュニケーション論の成熟を感じられる一冊だった。とにもかくにも成熟ゆえに、これまでの立脚点を批判しつつ、その基礎の上で豊かな分析を残せるようになってきたのかなあと思う。

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