Tono(著)
朝日ソノラマ、2000
Tono(著)
朝日ソノラマ、2001
Tono(著)
朝日ソノラマ、2002
Tono(著)
朝日ソノラマ、2003
Tono(著)
朝日ソノラマ、2005
Tono(著)
朝日ソノラマ、2006
朝日ソノラマ、2007
ひさしぶりに琴線に触れるマンガを読んだ。これは本当に素晴らしかった。最終巻 (8巻) が待ち遠しい。
■ あらすじ
「呪い師か占い師かお祓い師か何か」の家に生まれたチキタは、物心つく前に人食いの化け物ラー・ラム・デラルに家族全員を食われてしまうが、「とてもまずい」という理由で自分だけが生き残る。まずい人間は100年育てるととても美味になるという伝説を信じたラー・ラム・デラルはチキタを育てることにし、2人の共同生活がはじまる。
その後いろんなキャラクターが出てきて、2人と仲良くなったり、人を殺したり、化け物を殺したり、自分が死んだり、思い出になったりする。
■ 説明
雰囲気がとても好きなのだが、それを説明するのがむずかしい。というか、私がこの雰囲気を好むだろうことは、表紙を見た瞬間にわかったので、概してこれが好きな人は表紙を見ればわかるのかもしれない (そんなことはないか)。
妙にのほほんとした化け物と、何が起こってもあまり動じない人間の交流の描き方が坂田靖子に似ている。絵柄もちょっとは似ている。チキタとラー・ラム・デラルの関係は、『百鬼夜行抄』の律と青嵐の関係に似ている。
お話は、人を食って生きるものと人の論理の交錯が主軸になっている。人食いは何百年も生きていて、すごい力を持っていて、人を食って生きる。しかし、話を聞けば、人食い側の事情も人にはわかってしまう。わかってしまうから同情できてしまうのだが、それでも人を殺して食うといういうことをどうしても認められなかったりして、「うーんうーん」といういった感じで話が進んでいく。それだけ書くとまるで『寄生獣』のようだが、やっぱり『寄生獣』でもない。だって『寄生獣』は少女マンガじゃないし。
「少女マンガ」という言い方で何も伝えられないことに無力を感じる。「少女マンガ」は少女の恋愛を描いたマンガではない。私が知っている恋愛マンガではない少女マンガのもうひとつの軸のことをなんと言えばよいのかわからない。
Wikipedia に頼ってみる。Wikipedia によれば、坂田靖子らの世代は「ポスト24年組」と呼ばれるらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/24%E5%B9%B4%E7%B5%84
「24年組→ポスト24年組」と受け継がれていったような「少女マンガにとって大切だった何か」のようなものがあるとして。ここにはそれがあり、私は「少女マンガ」という言い方になるべくならそれをこめたいと思っている。しかし「70~80年代の少女マンガ (のごく一部) が持っていた何か」を「少女マンガ」という語で暗示することには無理がある (ある世代のごく一部の人はそういうニュアンスを「少女マンガ」という語にこめていると思うけど、やっぱり無理があると思う)。たとえば、今少女マンガのコーナーに置かれている多くのマンガの中にそれがあるのかというと、きっと無いのだろうし、無いものは無いで別に悪いことではないのだから、何か別の言い方をすべきなのだろう。しかし、今のところ何も思いつかないので、その問題は置いておく。今後考えていきたい問題である。
とにかく言いたいことは次のようなことだった。
これより素晴らしいマンガ、新しいマンガはきっとある。しかし、私はこれからもずっとこのマンガのような「怪奇幻想系の、ちょっとトウのたった少女マンガ」を愛好しつづけるのだろうと思った。
ところで、本屋に置いてあるのを見たことがないので、実物を見たことがないのだが、TONO、ますむらひろし、高橋葉介、今市子、諸星大二郎などが連載しているらしい「ネムキ」というのは素晴らしい雑誌だな。私はこの雑誌をきちんと読んだり、定期購読したりすべきではないか。
コメント(4)
コメントする
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: チキタ★GUGU
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.at-akada.org/mt/mt-tb.cgi/316



>チキタ★GUGU
読んでみた。これは…良いな。
>ネムキ
』 (2007/06/13 23:04)ジュンク堂には置いてあるよ(*´ω`)(´ω`*)ネー
「オモシロ不思議いっぱいの少女コミック誌!」と一見キャッチーなコピーを掲げてはいるが、ちょっと前の号の表紙は「栞と紙魚子」だった! なんと挑発的な…。
>読んでみた。
うお、早いな。
そういうフットワークの軽さを身につけていきたいものだ。
』 (2007/06/13 23:34)>ネムキ
「オモシロ不思議いっぱいの少女コミック誌!」
やっぱりこの雑誌が「少女コミック誌」というとヘンな感じがするな。読者層は「少女」ではないのではないか。そうでもないのかな。ひょっとすると全国の中学校のクラスにひとりずつくらい「ネムキ」を愛好している女子生徒がいるのだろうか。
もしもいるのだとすれば、そういう女子生徒を応援したいと思う。万が一私が為政者になった暁には、「ネムキを愛読する女子生徒が幸せになれる世の中」を理想社会としてイメージしつつ、為政に尽力するようにしたい。
>チキタ・GUGU
あー、俺も今度読もう。
>「24年組→ポスト24年組」と受け継がれていったような「少女マンガにとって大切だった何か」のようなものがあるとして。ここにはそれがあり、私は「少女マンガ」という言い方になるべくならそれをこめたいと思っている。
いいことを言った。
』 (2007/06/16 18:31)あー、好きかどうかはわからない(好きなような気もする)が、読んでみるといいんじゃないかな。
』 (2007/06/16 18:50)