バベル17

まつもとゆきひろが『バベル17』について書いていて、おおおと思った。

言語の夢想者―17世紀普遍言語から現代SFまで

マリナ・ヤグェーロ(著), 谷川多佳子(訳), 江口修(訳)

工作舎、1990


それで思い出したが以前読んだこの本はおもしろかった。理想言語を夢見た人々の歴史。

しかしカスタマーレビューがなんか攻撃的だ。

話にならない駄本

この本の言わんとするところは「人工言語はパラノイアの産物であるが、異言(神がかり状態になったときに起こる自然発声現象)は素晴らしいものだ」という事のようです。

そんなこと書いてあったかなあ。「パラノイア的想像力」とは書いてあったかもしれないが、批判するような論調ではなかったと思うのだが。まあ普遍言語を夢見た人々を「変な人」としておもしろがって紹介しているような節はあったので、まじめなエスペランティストにとっては腹が立つのかもわからんね。

しかしわたしはこの本を読んで、「はやく!はやく!普遍言語をつくらないと!」と思った。


以下、普遍言語が必要だと思う理由。

(普遍言語という言葉は「すごい言語」くらいの意味で使っています)。


思うに、世の中を変えるには2つの方法があると思うんだ。

1つは今ある人間の能力を前提とした上で、制度やシステムをいじる。たとえば「自由競争は愚鈍な人間どもにはちょっとハードすぎるのでセーフティネットをつくろう」とか。

もう1つは人間自体の能力を改造する。「脳をいじって24時間働きつづけられるようにしよう」とか「革命精神を注入することで立派な革命戦士として生まれ変わらせよう」とか。


後者は今時あまり流行らない思想ではあると思うのだが、わたしは結構好きなアプローチなんだ。

そして人間の能力を劇的に変える方法の1つとして「言語」はなかなか有効な手段なのではないかと思うんだ。同人誌にも書いたがわたしは本当に「表記法こそが本質的な問題である」と思っているので、優れた表記法を母語として身につけさせるだけで劇的に人間の能力が向上するという言語の効用についてドリーミーに夢見ているわけだ。つまり世の中を革命するために必要なのはまず、すばらしい言語じゃないかと。そういうことを考えているわけだな。





世界の崖まで犬たちと

世界の涯まで犬たちと

アーサー・ブラッドフォード(著), 小川隆(訳)

角川書店、2007

SFマガジンで見た。ユアグロー好きにはおすすめの悪夢のような短編集であるそうだ。




救世主

救世主的思考についてわたしが考える。

よく漫画とかで、「1人の命と人類全体とどっちが大切なんだ!」みたいな選択が主人公に課せられることがあるじゃないか。「人類全体」はまあちょっと大きすぎるのでひとまず1000人くらいにしておこうか。

「1人の命と1000人の命、どちらを守るか」が天秤にかけられている。わたしが今すぐ火事で死にそうな目の前の1人を助けに行けば、1人は助かる。しかし1時間後にわたしが助けに行くことになっている1000人は死ぬ。もしも1人を見捨てて1000人を助けに行けば1000人は助かる。こんな場合にどうすべきかという問題がある。


先日ふと頭のなかでシミュレーションしてみたのだが、わたしだったら多分1人の方は見捨てると思うんだ。こういうことを書くと人から反感を買うかと思わないでもないが、しかし、やっぱり見捨てるんじゃないかと思う。

もしも1人の方が家族や自分の恋人や友人だったらどうするかというのも考えてみたのだが、身内だからと言って原理をまげるのはよくないんじゃないかと思う。だからやっぱり見捨てると思う。仮に1人の方が自分だったらどうするかというのも考えてみたが、まあそういう状況に置かれた時点で諦めると思う。見捨てられても仕方ないとそう思うわけだ。

とはいえわたしも人の子なので実際にそういう状況に置かれれば情にかられるかもしれないと思うわけだが、ひとまず頭のなかでシミュレートしたかぎりではそのような結論がでた。


次に救世主だったらどうするかということを考えてみた。「救世主だったら不可能を可能にし1001人を助けてみせる」とかそういうのは無し。

まず救世主は情とか身内びいきとかは鬼のように押し殺さなければならないので、1人は見捨てるんじゃないかと思うんだ。

しかし人々はそんな救世主には失望してしまうかもしれない。人々に失望されると救世主は救世主たる資格を失なってしまうだろう。かと言って1000人を見捨てても結果は同じだと思われるので、救世主にはこの場合逃げ道がない。

つまり、そのような選択を強いられた時点で救世主にとっては大失敗だ。という可能性はあるかもしれんな、と思った。




ブックマークレット

HTMLソースを表示

javascript:'<pre>'+(new XMLSerializer()).serializeToString(document).replace(/</g,'&lt;').replace(/>/g,'&gt;').replace(/&gt;&lt;/g,'&gt;<br/>&lt;').replace(/\n/g,'<br/>')+'</pre>'

携帯のOpera8.6でソースをながめたいときに使うブックマークレットをつくった。ちょっと改行位置がおかしいけど、とりあえず簡易的にはこれで十分。

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