■ まえおき
インターネットとかWWWとかパソコン通信とか、ちょっと似てる複数の語彙がごちゃごちゃになっている人も多いだろう。
わたしが理解している範囲で解説し、整理してみるから、聞け。
(なんでこんなこと書いているのか自分でもよくわからんが気がついたら書いていた.せっかく書いたので公開する)。
まず広義の「インターネット」というのは、要するにネットワークとネットワークを結びつけて巨大なネットワークオブネットワークをつくってしまう技術のことだ。
たとえば、「インター」ナショナルといったら、国(ナショナル)同士の関係のことだよな。それと同じように、「インター」ネットと言うのは個々のローカルなネットワークを結んだもののことだ*。
昔あったパソコン通信というのは、ネットワーク同士をくっつけたものじゃなくて、ただのローカルなネットワークなのだな。
昔昔えらい人が、「企業とか研究所がつくってるローカルなネットワーク同士をぜんぶくっつけたらおもしろくね? こういうしくみにすれば実現できそうだ」って考えて、ちゃんとそのためのしくみを考えて、実際に実装してプレゼンして、いろんな人を説得して、ということをしたんだ。
その結果実現したのが今日のインターネットであるという風にまずは理解されたい。
上のWikipediaの記事にもちらっと書かれているけど、基本的には、IP(インターネット・プロトコル)というしくみをつかって、複数のネットワークを結びつける技術一般を「インターネット(a internet)」と呼ぶ*。そして、その現存する唯一の実装例がわれわれの知っている今日のインターネット(The Internet)であるという風に考えればいいと思う。
もう少し詳しい話は以下、順をおって説明してみる。
■ プロトコル
インターネットのことを理解するためには、まず「プロトコル」というものを理解しなければならない。
プロトコルというのは「儀礼」といったような意味だ。マナーとかルールのようなものをイメージすればよい。難しい言葉で言えば「規約」と呼ばれるようなものだ。インターネットはこういうプロトコロル(ルール)が何種類も組み合わさってできている。
通信のためのプロトコルは、複数の人々がお互い安心して通信できるようにするための手順とか取り決めを定めている。
具体的には、
- どうやってお互いのことを認識するかとか
- どうやって通信をはじめるか
- どうやってデータを送るか
- 途中で通信がとぎれたらどうするか
- どうやって通信を終えるか
などに関するルールを集めたものがプロトコルだ。
ところで、マナーとかルールというものは概して、「どれか1つに統一されていなきゃいけないが、本当はどれでもあまり変わりがない」という性質を持っている。
ある哲学者が、意味がないけど役に立つ慣習の例として、「電話が途中で断線したときに、かけた側とかけられた側のどちらがかけ直すか」についての取り決めをあげていた。これなんかまさに通信プロトコルを思わせる例だと思う。
「必ず電話をかけた側がかけ直す」という風に決まってさえいれば、どちらがかけ直すか悩む必要もないし、同時にお互いが電話をかけてしまって結局つながらなくなるなんてこともない。こういうのは要するに、1つの標準的なルールが定まっているということが大事なんだ。
人間同士の場合は、なんだかんだツーカーでなんとかなる部分もあるが、コンピューター同士ではそうはいかない。コンピューターや、特に通信にかかわる技術の場合、こういう細かなルールをガチガチに決めておくのが大事なことなんだ。
■ プロトコルの階層
上の記事を見てもらえばわかるが通信プロトコルは階層になっている。
これは一般的にも通用する話だと思うが、マナーやルールというのはしばしば階層になるものなんだ。
日常的な例で言うと、どんな会話でも基本的な日本語のルールや会話のルールには従っているだろう。われわれは、基本的な日本語や論理や会話のルールに従ったさらにその上で、会議特有のルールや合コンのルールなどのローカルルールに従ったりするのだ*。
すごく簡単に言うと、会話交代のポイントで次に話す権利を持った人の優先順位があって、「1.話をふられた人」「2.今まで話してた人」「3.一番最初に口を開いてた人」っていう風に決まってて、みんな知らず知らずの内にこのルールに従っているというような話があるんだ。
時間や場所などのかぎられたリソースを複数のエージェントがうばいあうという意味では、会話も通信もそれほど変わりないのかもしれないなどと思うとおもしろい。
いずれにせよ、より包括的な緩いルールに従った上で、それぞれの場面やそのつどの目的に合わせ、もっと限定された細かいルールに従う、なんていうのはよくある話じゃないかと思う。
そんで、要約本題らしい話になってきたが、インターネットの根幹を為すプロトコルがIP(インターネット・プロトコル)と呼ばれるものだ。「IP」アドレスやTCP/「IP」という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。あれがIPだ。
細かい話になるとわたしもよくわからないが、基本的には、IPアドレス(住所のようなものだ)というものを割り振ってお互いの居場所を特定したり、通信の経路を決めたりするのがIPのシステムだ。
あとよくTCP/IPって言うけど、インターネットの大部分は、TCPっていうプロトコルとIPっていうプロトコルを基礎にしている。ごくたまにTCPの部分がUDPというプロトコロルになっていることもあるけど(動画を送る場合とか)、基本はTCPとIP。
IPは絶対で、ほとんどの場面で使われているのがTCPって感じだな。
IPがお互いの居場所を特定するためのしくみであるのに対し、TCPは通信がはじまってから終わるまでの基本的な「流れ」を定めたものだ。
■ WWWとか
そんでインターネットというのは、このIPとTCPに従った上でさらにいろんなプロトコルを使っている。
たとえば、メールを送受信するためのSMTPとか、HTML文書を共有するためのHTTPとか、いろんな目的ごとにいろんなプロトコルが使われている(全部「P」の部分は「プロトコル」の略な)。
WWWとかWebというのとインターネットを混同している人も多いと思うが、WWWというのは、インターネットを使った通信のしくみの内の1つにすぎない。
たとえば、メールとかネトゲとかスカイプとかはWWWじゃない。
インターネットの基本的なしくみを使ったいろんな技術の内の1つがWWW。
もっと具体的に言うと、HTTPというプロトコルを主に使って、HTMLという言語で記述された文書を共有するしくみがWWW。WWW上の文書を見るためのソフトがIEなどのブラウザ。むずかしかったら「とりあえずブラウザ上で起っていることがWebなんだな」と理解してもいい。
ティム・バーナーズ=リーというえらい人が、「インターネットのしくみを使って、こういう風に文書を共有したらおもしろくね?」って考えたのがWWWとかWebと呼ばれているものだ。
インターネットがファミコンのようなインフラで、WWWがその上で動くソフトみたいなコンテンツで、しかも「ファミコンと言えばこれ」というくらいに大ヒットして、1コンテンツどころか、多数のコンテンツを抱える一大産業に成長した化け物商品だと思えばいいんじゃないか。
以上説明おわり。
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勉強になりました。
』 (2008/07/22 5:11)