伏見 つかさ (著)
アスキー・メディアワークス(電撃文庫(1639))、2008
■ あらすじ
ギャルだと思っていた中学生の妹が隠れオタクだったので兄が相談にのる。兄はふつうの高校生。
兄は妹のために、「オフ会に行ってオタ友達を見つけさせる」「父親を説得する」などの行動をとる。
■ 感想など
基本的にあらすじの通りの話。
オタ話やオタク像のディティールを楽しむものかな。
たぶん、「妹もののエロゲーとアニメが好きな妹がいたらおもしろいよねくすくす」という設定先行で話をつくっていると思う。はてなアンテナ使ってニュースサイトでエロゲ情報をチェックして戦闘少女もののアニメが好きで妹萌えという妹の設定は微妙にリアルなんだが、それは、たぶんわたしと同じくらいか、その前後の世代の男のオタクにいそうな像(たぶん作者と同世代)であって、いやひょっとしたらその世代であればそういう女性がいてもおかしくはないと思うが、そんな中学生女子はぜってえいねえ。表面ギャルで隠れオタクという人はいそうだが、そのオタク像は世代的にありえん。まずもってはてなアンテナは使わずRSSリーダー使うだろうし、妹ものって、今別に流行ってなくね?と思った。何だろう、世代的に言うと、エヴァンゲリオンが同時代かそのちょっと後で、でもエヴァ嫌いでセーラームーンを高く評価していて、大学時代にシスタープリンセスに大はまりしたみたいなそういう感じのオタク像だろうか(考えすぎだが)。
むしろ妹の友達になる「ゴス服で厨二アニメ好きでニコ動にウマウマ踊ってみた動画あげてる人(黒猫さん)」の方が今の中学生女子でありえそうなオタク像に近いかなあと思った。学校に友達いなさそう。
あと、オフ会の主催者の人は、リュックにポスター差してて議論好きでめんどうみがよくて、一人称が「拙者」で、これはむしろわたしの少し上くらいのオタク第二世代くらいの人かなあと思った。ファーストガンダム見てる世代で、究極超人あ~るが好きそうな。
このように考えていくとこの3人はオタク第二世代、第三世代、第四世代の代表として配置されているのかもしれんと思えてきたが気のせいだろう。というかむしろ
- 作者と同じくらいの世代(妹)
- ちょっと上(主催者の人)
- ちょっと下(黒猫さん)
という配置のような気がする。まあ世代論はいいや、明らかに考えすぎだし*。
後半の兄ががんばって父を説得する展開はよかったのだが、「偏見はよくない! オタクはみんないいやつだ!」みたいなノリはちょっとなあと思う。何だろう、後ろ暗さがいいはずのものを無理矢理健全なものとして弁護しようとしているみたいな違和感があるかもしれない。
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