三嶋 博之 (著), 河野 哲也 (編さん)
三嶋博之 / 溝口理一郎 / 関博紀 / 倉田剛 / 加地大介 / 柏端達也著
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-36050-7/
目次
第1章 なぜ環境のオントロジーが必要なのか
第2章 生態学的アプローチの戦略
第3章 工学のオントロジー
第4章 建築のオントロジー 建築家の視線の先にあるもの
第5章 事態のオントロジーと環境の理論
第6章 現代のオントロジーとアリストテレス
第7章 形式的存在論と環境の形而上学
第8章 環境の性質 性質のオントロジーに向けて
第9章 アフォーダンス・創発性・下方因果
- ギブソンのアフォーダンス論とオントロジーについていろんな人が書いてみましたという本?なんか不思議な構成だ。
- アフォーダンスのえらい人が若いオントロジストを呼んで書かせたって感じなのかな。
- 正直に言うとベタにアフォーダンスな論文は流し読みですませた。
- オントロジー工学者の溝口氏は、B.スミスと激論を戦わせてるらしい。工学者と哲学者が激論を戦わせられる分野っていいですね。
私信: バリー・スミス教授とは三度の直接討論と一〇〇通に及ぶメールのやりとりで激論を戦わせてきたがいまだに決着はついていない。
p88
- 柏端達也氏の論文は大変よかった。
- 書いたものを読むたびに思うがこの人頭いいなー。
- ギブソンのアフォーダンスの概念を、現代分析哲学の性質論、特に「傾向性」の概念から解釈しなおす。
- 「アフォーダンスはおおむね傾向性に包摂される。ギブソンの言うアフォーダンスの実在性は傾向性の実在性と同じこと」「アフォーダンスは生物と環境の関係ではない」とか、分析哲学者ならではのスパっとした指摘が。
- 言語の意味論を、もっと広い「情報の流れ」とか生物と環境の相互作用みたいなところに位置付けるのは最近のトレンドなのかなあとか。
- ミリカンを読んでいたときも思ったが、そこで『論理哲学論考』が出てくるのはおもしろいですね。「情報の流れ」とかまるで関係なさそうな本なのに、そういう読み方もできてしまうというのは「徳」かなあ。
- なんかオントロジー分野は現象学者が元気ですね。
- 本邦の通俗解説書などから得られる浅薄なイメージとまるで相反するものだけど、喧嘩になったりしないのかしら。
- 加地大介氏の論文はおもしろいが、まえがきがすげえ強引だ。
何かにつけエコロジカルな心構えが要求される昨今、日本人に固有だとされる「もったいない」精神の尊さなどが喧伝され、いろいろな意味で「ものを大切に」することが重視されているが、アリストテレス(紀元前三八四-三二二)は、哲学的・存在論的な意味において、とても「ものを大切に」した哲学者であった。というのも、アリストテレスの存在論の重要な特徴のひとつは、実体(Substance)を重視する「実体主義(Substance Ontology)」と呼ばれる立場であり、「実体」とは、何かがそもそも「何もの」であるかということを表す用語だと考えられるからである。
p157
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