最近小説の同人誌を出すことについて反省的に考えていたのでメモ。

単純に、自分の本を売るなかで、素人の書いた小説って読む気が起きにくいよねって思っただけなのだけど。

同人誌にはいくつかハードルがあって、まず(1)入手してもらうまでが1つの山、(2)次に入手してから読んでもらうまでがまた大変という感じ。

実際売ったりあげたりしても、大半の人は読んでないと思うんだ。自分としても、同人誌即売会で買った小説や、人からもらった小説ってなかなか食指が伸びにくい。


そうじゃなくて小説の方が読みやすいという人もいるとは思うけど、とりあえず自分の感覚をメモする。

  • 素人の書いたマンガ->読める
  • 素人の書いたコラム、レビュー、批評->読める
  • 素人の書いた小説->読みにくい

という感覚をわたしは持っている。


マンガの場合、「絵を見れば作風が何となくわかる」というのが大きいかな。

次にコラムなどの文章の場合、書いている人を知らなくても「何を書いているかがわかりやすい」という効果が大きいと思う。たとえば、書いた人に興味がなくても「フランス書院美少女文庫総レビュー」って言われれば何が書いてあるかわかるし、どう読めばいいかも自ずと決ってくる。

小説の場合、まずその世界に入り込むまでの敷居がちょっと高いので、どうしても「保証付き」の商業作品を求めてしまう傾向にある。


しかしこれは解決不能な問題では無い。要するに何が書いてあるかわかりやすくすればいいだけのことだ。

たとえば「分析哲学の萌えパロディ本」と言われれば何が書いてあるかわかるし、興味のある人は手に取りやすいと思う。パロディにしろというわけではなく、パロディ以外にも、何が書いてあるかわかりやすく、手に取りやすい切り口を考えるのは可能だろう。なので、これについてはまた考える。


次の問題。「描写がめんどうくさい」。小説のめんどうなところは、アイデアやストーリーを文章での描写の形に落さなければならないところだ。何でもそうなんだけど、小説の場合特に、すでに言葉で考えているアイデアをさらに別の種類の描写の言葉にしなければならない。この作業には大変なコストがかかる。書くだけではなく、読む側にも描写を読んでイメージするのが負担になる。そこは文章の技術で解決すべき問題だろうというのが正道かとも思うが、それ以外の道も考える。

ボルヘスがあらすじだけの小説を書いてたけど、そういうことができないかなとちょっと思ってる。

1つの簡単な解決策は描写のプライオリティを下げること。一部のラノベとかは実際に「描写はどうでもいいが、分量と速度で読ます」みたいな方法をとっているようだ。mmwwに、分量と速度が重要なんじゃないかと言われたが、そうかもしれない。

あまりうまく言えないが、意識的に荒削りなテンプレートを使うみたいなことがうまくできればおもしろそうかなと思う。


あと、そもそも狭義の「小説」にこだわる意味はそんなにないんじゃないかなと思っている。

同人小説を商業作家への登竜門と捉える気はないのだから、商業作品や正規の文学のフォーマット自体捨ててよいのではないかと。

具体的なアイデアはまだ何もないのだが、まともな小説には真似のできない同人誌ならではの反則技を考えられないかどうか、もう少し考えてみたい。

コメント(4)

# mikan3

>同人誌ならでは
>意識的に荒削りなテンプレート

そういう意味で今回『千年幼女』はよかったんじゃないか。製作対談もおもしろくよめたし(私はそもそも制作秘話好きだが)、本筋の内容も適度に軽くておもしろかった。

あと、幼女の造型とかが意識的に萌え要素(?)でできてたのもプラスだったと思う。

(2008/11/17 16:52)
# 死に舞

要するに評論とかも2次創作だからとっつきやすいのだと思うよ。やっぱりオリジナルは大変だということです。
ただなんか文芸同人誌の人たちはもっとタイトルに凝るとか、宣伝頑張るとか、そういう意識が低く感じる。

(2008/11/17 20:51)
# at-akada

>mikan2
感想ありがとう。『千年幼女』は今回一番気にいってるのでうれしいですね。実際今回の一連の作品はわりと、「もっとポップにできないか」ということを意識して書きました(まだやり切れていない感もあるけど)。

(2008/11/17 21:10)
# at-akada

>死に舞
>オリジナルは大変
なるほど。そうかもしれないです...。


>タイトルに凝るとか、宣伝頑張るとか
演劇とか音楽に比べても、文芸の宣伝の意識は低い気がしますねー。そういうことも今後考えていきたいと思っています。

(2008/11/17 21:12)

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