学際オントロジー09、2日目の一部だけですが、参加してきました。
いろいろ考えさせられるおもしろい会でした。感想はいずれ。
(最近まとまった記事を書こうとして時間がなくてなかなかアップできないことが多いので荒書きでもとりあえずアップすることにしようかと思って)。
ちょっとだけ感想追加。
哲学の人や工学の人や医療の人がより集ってオントロジーを論じあうカオティックな国際シンポジウムだった。
個人的にはSimonsやB.Smithなどといった存在論界のビッグスター(何)を間近に見れてミーハー的に感激。
一応わたしもエンジニアなので、工学系の発表も興味深く聞いたが、哲学者との志向の違いをわりとまざまざと見せられ、考えさせられるところは多かった。
たまたま見たのがそうだったのかもしれないが、工学系の発表は、「すでにある体系を応用してみた」みたいな思いつき成分高めのものが多く、ハイレベルでアブストラクトな理論的対決を期待した身としてはちょっと肩すかし。
個人的には、どっちかというと工学者・実装者という立場からどんどん理論をつくり出していくようなものを見てみたいなあと思う。
もっと「マイノング主義の体系を実装してみた」とか「OWLが唯名論に基づいてなくて気に入らんので、トロープ説バージョンをつくってみた」とか、そういうのが見たい(どんな工学者だ)。しかしいかんせん日本で工学者が存在論のことを知りたいと思っても、手軽に手に入るようなところに知識は転がってないだろうし、難しいなあと思った。
しかしそういうことを考えるにつけ、「おまえはエンジニアなんだからおまえがやれ」という声がどこかから聞こえてきて、今後がんばりたいと思ったものである。
あと哲学系の発表ではフッサールが大人気。某発表では、フッサールは、マイノングやデイヴィド・ルイスと近い存在論をとっているという発表があったりして、「え、フッサールってそんなばりばりの実在論者だったんだー」と現象学をまったく知らない身としては驚き。
Simonsも「存在論のヒーローは、フッサールとアリストテレスとオッカム、悪役はウィトゲンシュタインとかダメットとか」と言っていた(うろおぼえだけど)。
あとわりとどうでもいいけど、Simonsが発表の最初で俳句を読んでおり、サービス精神旺盛だと思った。
↓Simonsの著作。流行りの(?)メレオロジーです。
Peter Simons Parts: A Study in Ontology
あと最近ちょうど機会があって、可能的対象について調べていたこともあって、マイノング主義の存在論に関する発表が興味深い。
マイノング主義というのは、「言及の対象になるようなものは、とにかくどんなものでも存在する。現実には存在しない可能なだけの対象もあるし、丸い三角みたいな矛盾した不可能な対象もある」というすごく極端な立場。そんなに人気がありそうな気はしないけど、結構理論化もされていて、T.Personsという人とZaltaという人の理論が代表的らしい。
これはとにかく変な理論で、私も三浦俊彦の著作やスタンフォード哲学事典の解説を通じてしか知らないのだが、半端な存在をあっさり、しかも大量に認めてしまうなかなか魅力的な体系だと思う。
というわけでここにPersonsの著作を貼ろうと思ったのだが、もう廃刊になっており代わりにWebで無料公開されていたのを見つけたのでリンクを貼っておきます。
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