うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめで“ヒューゴー賞受賞作を年代順に読むよ”タグの付いているブログ記事
■ 読んだ
- 『黙示録3174年』
ウォルター・M・ジュニア・ミラー(著), Walter M.,Jr. Miller(原著), 吉田誠一(訳)
東京創元社、1971
この本を失くしたのと、論文等でいそがしくて中断していた「ヒューゴー賞受賞作を年代順に読むよ」企画をひさびさに再開する。
過去ログを見るとちょうど1年くらい前にやっていたらしい。
読んだのは以下の7冊。まだ先は長いなあ。
- 『分解された男』 (The Demolished Man) アルフレッド・ベスター
- 『ボシイの時代』 (They'd Rather Be Right) マーク・クリフトン、フランク・ライリー
- 『ダブルスター』 (Double Star) ロバート・A・ハインライン
- 『ビッグ・タイム』 (The Big Time) フリッツ・ライバー
- 『悪魔の星』 (A Case of Conscience) ジェイムズ・ブリッシュ
- 『宇宙の戦士』 (Starship Troopers) ロバート・A・ハインライン
- 『黙示録三千百七十四年』(A Canticle for Leibowitz) ウォルター・ミラー
今回のはおもしろかった。
■ あらすじ
核戦争によって人類はすべての文明を失ない、中世の段階まで舞い戻ってしまう。
- 1部
- 過去の遺物を保存する修道院。
- ちょっとおばかな修道士フランシスが聖者とあがめられる太古の技師リーボヴィッツの遺物を発見する。
- 遺物の意味がわからないフランシスはリーボヴィッツが残した回路図や図面をあがめ、美しい写本をつくりあげる。
- 2部
- 数百年後。修道院が残していた遺物を元に、人類の新たなルネッサンスがはじまろうとしている。
- 科学の復活を夢見る科学者と修道院長の話。
- 3部
- また数百年後の修道院。人類は、再び科学技術を取り戻している。しかし再度核戦争の危機に見舞われてしまう。
■ 感想
過去の遺物を保存する修道院を軸に、人類に再び訪れた中世、ルネッサンス、近未来を描く。
わたしは、あたまのよわい子の話に弱いので、フランシスにグッときた。物語ガジェット「写本」もツボだし。
わけのわからぬまま15年かけて回路図の美しい写本をつくりあげ、あわれな死をとげるフランシス...。うう。
基本的には『火の鳥』みたいな話ですね。
■ 本企画について
http://www.at-akada.org/blog/2007/07/post_227.html
■ 読んだ
『宇宙の戦士』
ロバート・A・ハインライン(著), 矢野徹(著)
早川書房、1979
わたしによるわたしのための1人企画「ヒューゴー賞受賞作を年代順に読むよ」。
しばらく忙しかったので長らく忘れてましたが、再開しました。
「宇宙の戦士」はガンダムなどいわゆるリアルロボットものの元祖と言われる作品で、映画スターシップ・トゥルーパーズの原作でもある。
発表されたときは、これはファシズム肯定の小説じゃないかと随分議論もあったらしいが、その辺りの論争事情は本書の巻末で丁寧に紹介されている。
個人的には大変楽しく読めた。確かに「僕の考えた理想の戦争」みたいな内容ではあるものの、別のオーディオに興味が無くても「オーディオマニアが考えた理想のオーディオ環境」をおもしろいと思うように、あるいはインテリアに興味が無くても「インテリアマニアが考えた理想の家」をおもしろいと思うように、理想の戦争の話もおもしろい。
もっともわたしは気質的にファシストを見ると萌える傾向にあるので、そのためにおもしろく読めた部分もある。
とはいえ、単にファシストと切り捨てるには勿体ない印象深いセリフがいろいろと出てくる小説であったことだよ。
たとえば「戦争」について。
「たったひとりの教授タイプの男が、ただボタンを押すだけで、より以上の効果があげられるという時代に、時代遅れの武器を持った大勢の兵隊たちが自分の生命を危険にさらすということに、どういう利点があるのでありますか?」
(...)
「いいか、もしおまえが赤ん坊をしかろうと思ったら、そいつの首をはねてしまうか?」
「えっ......とんでもありません、軍曹どの!」
「もちろん、そんなことはせんだろう。ピシャリとたたきつけるだろうな。敵国の都市を水爆で攻撃するなんてことは、赤ん坊の頭を斧でたたっ切るのと同じように、実に馬鹿げたことだというような事情のときもあるんだ。戦争とはそう単純な暴力と殺戮ではない。戦争とは、目的を達成するための、抑制できる暴力なんだ。戦争の目的とは、政府の決定したことを力によって支持することだ。その目的は、決して殺すためだけのために敵を殺すことではなく、こちらがさせたいと思っていることを相手にさせることだ。殺戮ではなく......抑制され、目的を持った暴力なのだ。」
「投票」について。
「投票するということは、権威を使用することである。これは最高の権力ともいうべきもので、ほかのあらゆる権力はここから発生する......
(...)
いうなれば、それは暴力なのだ! 公民権は力である......裸であり、生の<棍棒と斧>なのだ。よしんばこれが、十人の男によって使われようと、あるいは十億人によって使われようと、いずれにせよ、政治的権力というものは、力なのである......」
若者を投票に行かせようと思ったら「投票は市民の義務です」なんて言わずに「投票は棍棒と斧なのだ!」などと叫ぶと良いのではないか。
■ 本企画について
http://www.at-akada.org/blog/2007/07/post_227.html
■ 読んだ
- 『悪魔の星』
ジェイムズ・ブリッシュ(著), 井上一夫(訳)
東京創元社、1967
神学テーマのSFという道具立て自体は好きそうな感じなんだが、いまいちピンとこなかった。たとえば途中に神父が悪徳の書だと思って、『フィネガンズウェイク』を解読しようするところがあるのだが、これもネタなのかなんなのかわからなかったり。
たぶん、この神父のことをおかしい人だと思えばいいのか、かっこよく活躍する知的な主人公だと思えばいいのかがよくわからなかったので、それで結局どう読めばいいのかわからなくなってしまったのだと思う。解説読んでもその辺はわからなかったのだが結局どっちだったのだろう(作者のコメントを見ると、どうも神父は電波な人という位置づけのようにも思えるのだが...)。
次はかの有名な『宇宙の戦士』なのでちょっと楽しみだ。
■ 本企画について
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■ 読んだ
フリッツ・ライバー『ビッグ・タイム』
サンリオSF文庫(株式会社サンリオ)、1978
『魔の都の二剣士 <ファファード&グレイ・マウザー1>』シリーズの人。なんかむずかしくてなー。よくわからなかった。ラストはおもしろげだったんだけど、人の名前はおぼえられないし、何がおこってるのかよくわからないしで、よくない読書体験だった。
可能性(1): わたしが読み飛ばしたのが悪い
可能性(2): 翻訳が悪い
可能性(3): 作者が悪い
たぶん、答えは「ぜんぶ」なんだけど、割合はどうかな。
■ 本企画について
http://www.at-akada.org/blog/2007/07/post_227.html
■ 読んだ
- 『ダブル・スター』
ロバート・A. ハインライン(著), Robert A. Heinlein(原著), 森下弓子(訳)
東京創元社、1994/06
政治家の替え玉になった役者が活躍する話。おもしろかったけど、あまりSFではない。たとえばこれと同じような話をシェイクスピアが書いていたとしてもそれほどおかしくはないのではないか。というかむしろいかにもシェイクスピアが書いてそうな話だった。
■ 本企画について
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■ 読んだ
- 『ボシイの時代』
マーク・クリフトン(著), フランク・ライリイ(著), 冬川亘(訳)
東京創元社、1981
この著者らについてはまったく知らなかったのだが、これはおもしろかった。
ミュータントではないが、エスパー新人類もの。
文明に対するシニカルなコメントがいちいち良い感じ。
■ 本企画について
http://www.at-akada.org/blog/2007/07/post_227.html
■ 前置き
http://www.at-akada.org/blog/2007/07/post_227.html
■ 読んだ
- 『分解された男』
アルフレッド・ベスター(著), 沼沢洽治(訳)
東京創元社、1965
『ゴーレム100』の邦訳が出版され、かすかに話題を読んでいるかに思われるベスター。
本編は、エスパー警察官対悪漢実業家の犯罪推理もの。記念すべきヒューゴー賞一作目。
エスパーネタと犯罪ネタはいいけど、悪い意味でインテリ風な精神分析ネタ(゚⊿゚)イラネと思った。
厚みのある読書をすべく、ヒューゴー賞の歴代受賞作を年代順にすべて読むという企画です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BC%E8%B3%9E
ところで、狙ったわけではないですが、今年の世界SF大会(ワールドコン) は日本で開催されるそうです。めでたいですね。
http://www.nippon2007.org/jpn/index.shtml
■ ルール
- ヒューゴー賞長編部門受賞作を、53年の『分解された男』からはじめ、年代順に1冊ずつ読む。
- 1冊読み終わるごとに、ブログ上で「読んだ」と宣言する。
- その際感想などは書いても書かなくてもよしとする。面倒だったら「読んだ」と一言だけですませてもよい。
- 未邦訳または入手困難の場合は飛ばしてもよい。
- 読んだことのあるものは飛ばしてもよい(もちろん、改めて読んでもよい)。
■ 参加方法
もし万が一参加したい方がいれば、「参加する」と勝手に宣言し、勝手に読みはじめてください (明示的にトラックバックを送らないかぎり、私は気づかない可能性が高いです)。というか、参加希望者は現れないだろうと推測しているのですが、ほかの参加希望者がいてもいなくても、私がひとりで読みつづけます。
一番メジャーだろうと思ったので私は長編部門を読むことにしますが、ほかの方が参加する場合「わたしは中長編部門を読む」とか「ぼくは短編部門を読む」という人がいてもよいかもしれません。
ちなみに、本企画は、「ぬるい読者が教養を得る」ことを本義とするものです。私自身まったくもって濃いSFファンではありません。この企画以前に読んだ長編部門受賞作は、『銀河帝国の彼方へ』一篇のみです。というわけで、ぬるい読者の方々の参加をお待ち申し上げております。





